我々はどこから来たのか どこへ行くのか

住むところ問題

もし離婚するなら今度はこんな寂しい夜の景色でないところが良い。冬の暗い夜道をひとりで歩いていると、どうしようもない寂しさが押し寄せてくる。家賃が安いことと近隣で栽培された新鮮な野菜を売っていることを除けば、この街に特筆すべきことはあまりない。

夫ともし別れることになってしまったらアルバイトに行きやすいように、もっと都心に移ったほうがいいだろう。夜道も危ないので駅からもそう遠くない方が良い。私の今の手持ちの資金や今後のことを考えると、できればあまり初期費用のかからないシェアハウスみたいなところはどうだろうか。この歳で入居しなければいけないことを考えると頭が痛くなるが、大人でも入れそうな落ち着いたところを選んで入れば何とかなるのではないだろうか。

ふと別れたら夫は困るだろうかと考える。生活費は現在夫持ち。掃除、洗濯、食事の用意はしていたけど、それらは夫だって全くできない訳ではない。少々汚くてもいい、食事は外でするから構わないとなると、私の存在意義は夫にとっては意味のないものというか、むしろマイナスにすら感じる。わざわざ自分の傷をえぐるような言葉で言えば、情がなければただの穀潰しである。こうやって書いてみると自分の暮らしの危うさに目眩がする。最も夫はもっと前からぐらぐらしていたのかもしれない。

現実的に別れることが具体化したら、と考えてシェアハウスを検索し入居にいくらかかるのか調べてみた。値段はまちまちだが、平均的な部屋でも初期費用のみで16万程度、初月の家賃+電気代+管理費で9万、トータル25万ほどはかかるようだ。個人でアパートを借りるよりはずっと安いだろうが、ガヤガヤ賑やか過ぎたりしないだろうか。あとは風呂には浸かれないだろうから、風呂好きとしてはそこが難点だ。が、もし夫に追い出されたらそうも言っていられないだろう。広い湯船は諦めて、休日に銭湯に行くことが小さな楽しみになりそうだ。

初期費用のかからないURはどうだろうかと考え、検索してみる。こちらは選んだ沿線のせいなのか、そもそもの作りなのかファミリー向けの部屋が多く、単身向けにはあまり用意がないようだ。「UR賃貸住宅は礼金・手数料・更新料・保証人ナシ」との文字が大きなフォントで表示されているが、敷金は2ヶ月分になるようなので検索した中では一番安い8万円台の部屋でも(共益費と合わせて約9万円)18万円程。そこに単身での引っ越し費用をざっくり7万円としてもやっぱり25万は最低でも必要になる。となると本当に最低でも30万程度はあった方がいいのだろう。シェアハウスであれば40万程だろうか。シェアハウスの場合は、水道光熱費、Wifi代などは定額で含まれているため、その後の家計管理はし易いとは言える。

計算をすればするほど、この世界はふたり以上の方が圧倒的に生きやすいと思うものの、一人になることのメリットだってきっとあるだろう。今後は休日に何したいとか、どこに旅行に行きたいとか、いつか海外に住みたいと思う気持ちを抑えなくて良いということなのだ。私にとって海外に住むということはどれくらい重要なのだろう。何を満たしたくて海外に行きたいのだろう。

夫と離婚することで手にする自由はもちろんあるだろうけれど、私はそれをどこまで追求したいのだろう。

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