仮に離婚するとして住むところを探してみたものの、この家に残る可能性だってあるのだよなとふと考えた。そこで、いっそAirbnbとかそういうものに登録して外国からの観光客に部屋を貸し出すというのはどうだろうと思いついた。
シェアハウスよりは月額の金額が少々割高にはなるが、色々な国からゲストが来るというのはちょっと面白そうだし自分自身の勉強にもなりそうだ。現在の夫の個室にベッドを購入してそこに寝てもらい、私の部屋には鍵をつける。サイトを介してある程度身元は把握できるかと思うが、そうはいってもどんな人間が来るかはわからないからだ。10年近く使って液晶部分が妙に剥がれ落ちてしまい、外に持っていくには少々恥ずかしいMac Bookだって一応なくなったら困るし、わずかな貴重品も念のため共用部分から離しておかないといけない。
調べて見ると壁などに穴を開けたりすることなく設置可能な鍵が存在するようなので、それがあるといいかなと思う。Wi-Fiは現在夫名義なので契約しなおして、水道光熱費が上がる分については宿泊費に少々上乗せする。ここは東京の郊外なので泊まりたいと思う人は少ないかもしれないが、和食の作り方を教えるとか駅までの足として自転車の貸出をすれば、ローカル(私)と触れ合いたいと思う人もいるかもしれない。トコジラミだけは発生して欲しくないが、こればかりはきっと運だろう。だが、私はダニの類(トコジラミはカメムシの仲間らしいが)は死ぬほど嫌いだ。少なくとも奴らが猛威を振るっている間は民泊を開始する気にはなれない。
次にルームシェアという方法も考えた。検索で辿り着いたあるサイトでは、「誰かから部屋を借りてシェアしたい人」「すでに決まった物件に住んでいてシェアできる人を探している人」など希望ごとに検索できる掲示板のようなものがあった。誰でも無料で見られるし、好きに投稿することもできるようだ。当然ながら、20代〜30代が大半で、似た境遇(40代離婚/現時点では可能性)の人はあまりいないようだ。それにしても女性の場合は大抵同性とのシェアを望む声が多いのに、男性投稿者の場合、結構な割合で女性のシェアメイトを望むのは何なのか。アセクシャルなので恋愛に興味はないので男女問わないと書いている場合は良いが、「無理強いはしないが、そちらが望むなら性的なこともあり」みたいに書いている40代男は何なのか。離婚するというのは、シングルワールドのこういった面にも己で対峙するということなのかと考えて憂鬱になる。
もうひとつ驚いたのは、「家賃は払えないけど住まわせて欲しい」と書いている人がチラホラいたことだ。中には「できれば無料が良いけどどうしてもと言うなら払う。その代わりある程度の家事等しても良いが、もしよければ彼女も連れていきたい。日本でも海外でも構わないが海外の場合、片道の航空券代を負担してほしい」というような投稿もあった。海外駐在に転職するバリのリクエストだ。他にも45歳で住むところがないと言っている女性もいた。これはこのまま行くと限りなく私の未来像に近い。
ひとつひとつの投稿を見る内に、私にもこの掲示板の人たちとさほど変わらない部分があるように思った。それは自立することができていない、ということだ。経済的にはもちろん、精神的にも自分で自分を支えることができていない。ここから変わっていかなくてはいけない。まずは夫に出て行って欲しいと言われたら、そうした方がいいだろう。その場合はできれば賃貸を借りる、もしくは40代でも入居可能なソーシャルアパートメントに入る。
夫が出ていくとなればこのまま住むが、Airbnbは検討したい。または海外旅行者向けに家庭料理を振る舞って料金をもらうとかだろうか。非現実的なものもあるが、ひとつひとつの可能性に目を向けると視界がクリアになる。何より実現可能な道はあると知ることで、圧倒的に大丈夫な気持ちになれるなと知った41の冬。
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